2007年、今さらミスチルにハマった話

私が誰かと音楽の話をする時、必ずと言っていいほど呟いてきたものです。
ミスチルとか、どうしてもハマれないんだよねー」と。
Mr.Children 1992-1995
どうもミスチルは苦手だった。
音楽を聴くようになってまだ4,5年程度の私にとって、90年代後半のいわゆる"CDバブル"はなかったも同然だ。当然、ミスチルがミリオンを連発しまくって「ミスチル現象」なんて言われたとか、そんなのも知らないわけである。いやそりゃ売れっ子なのは知ってますよ?でもほら、社会現象とまで言われてたってほんとスか?いやぁー、俺は知らないっすねー。
ミスチルファンってのは「昔から」かつ「大量に」いるわけで、その輪の中に新参者の俺なんかが入っていく勇気が起きなかった…というのが、一番の理由かもしれない。多くの人に消費され尽くした歌詞には既に彼らによって確立された解釈が存在し、新参者の俺の解釈なんて入り込む余地はない。そんな風にも思った。それに、ミスチルはロックというよりポップに思える。大衆向けの耳当たりのいいポップを歌う有名アーティスト、そんなのいらねーよ!なんて中二病的な発想をしていたのかもしれない。結局のところ「なんとなく」ハマれなかったのだ。特に理由なんてなかったのかもしれないし、本当の理由なんてわからない。わからないものは、わからない。
そんな時、ふと耳に入ってきたのが、新曲「フェイク」である。
フェイク
聴いた瞬間にこれはキたね。やばいね!なんだよ、なんだよ!ロックしてるじゃねぇか桜井さん!!
社会への風刺とも読める歌詞はロック的に感じる要因になっているはず*1。シンセ使いまくりなのはロックって言っていいのか疑問にも思うけど(誰かに怒られそうだけど)、なんだろうなぁ…でも、これは紛れもなく、ロックだ。
ハマりまくってwinampにフェイク一曲だけを放り込んで無限リピートすること数日。ちょっとミスチルについて調べちゃおうかなーなんてサイトめぐりをしていて見つけたのが、レーベル公式サイトにあるこの動画。2005年ドームツアーのDVDより、「未来」だ。
http://www.toysfactory.co.jp/recommend/rm/tfbq18071a21_1m.ram
http://sizuken.no-ip.com/temp/mirai.avi*2
めちゃめちゃ楽しそうに歌う桜井さんが印象的*3だった。超笑顔。バンドメンバーもみんなすげー楽しそう。本当に楽しそうに歌ってる人を見ると、俺はすごい幸せな気分になれるんだ。思わず「俺、生まれ変わったらミュージシャンになる!」とか叫んでました。どこの中二だよ俺。
四次元 Four Dimensions
で、この「未来」。ポップな明るいメロディが心地いい曲だけど、改めて歌詞を見てみると、意外とすごいんですよ。
ちょっと引用してみましょう。

名前もない路上で
ヒッチハイクしている
膝を抱えて待ってる
ここは荒れ果てていて
人の気配はないし
誰もここを通らないや
進入禁止だって
あらゆるもの拒絶して
追い払ったのは僕だから
誰も迎えに来ない
ちゃんと分かってるって
だけどもう少し待ってたい
生きてる理由なんてない
だけど死にたくもない
こうして今日をやり過ごしてる
生まれたての僕らの前にはただ
果てしない未来があって
それを信じてれば 何も恐れずにいられた
そして今僕の目の前に横たわる
先の知れた未来を
信じたくなくて 目を閉じて過ごしている

Uta-Net | Mr.Children - 未来

えええなにこれ!超ニート!おい桜井、お前超NEETじゃん!ギャハハ!
しかしこれはいい、すげーいい。胸にギリギリ来る歌詞。半泣きだよマジで。VIPPERは聴くべき。かくして「未来」もwinampでゴリゴリとヘビロテとなったのである。
こうなるともう止まらない、他の曲他の曲!あー、じゃあ、これ!「Monster」!
http://www.toysfactory.co.jp/recommend/rm/tfbq18071a12_1m.ram
http://sizuken.no-ip.com/temp/monster.avi*2
えええええええ!!!なにこれ!!桜井、超ヘヴィじゃん!ラウドでパンクでヘヴィメタルじゃん!!*4俺の中にあった「大衆ポップスのミスチル」のイメージなど木っ端微塵に崩壊してしまった。ミスチル好きな人って、こういうのも聴いた上で好きだって言ってたのか…。意外すぎる。
I LOVE U
で、こいつも歌詞を見てみると…

彼女は「カナリヤ」
人目に触れたがらない メモ帳の中にだけ存在している
聞かせてくれたことはまだ無いが きれいな虹色の声で歌うよ
誰ともSEXしなくても 子供だって身籠もれる
全裸でいるのは宗教上の理由だ 慈悲の御心で世界を救う
Knock Knock 誰かいますか? 入れてくれますか?
Knock Knock お気付きですか? あなたもモンスター
さぁ どんな叫び声をあげようか?
探していました 分かり合える人を ずっと
悲しい顔して 哀れんでくれてるんですね
でも 分かります そのうち分かります あなたにも
大丈夫 大丈夫 痛くもないし 怖くもないです
大丈夫 大丈夫 僕と一緒 あなたもモンスター

Uta-Net | Mr.Children - Monster
  • 『彼女は「カナリヤ」(中略)メモ帳の中にだけ存在している』
  • 『誰ともSEXしなくても 子供だって身籠もれる』
  • 『全裸でいるのは宗教上の理由だ 慈悲の御心で世界を救う』

え?『みなまで言うな』って?いやいやー(笑)これって、あれですよね?ヒキコモリのマンガヲタクの妄想ですよね!?
既に私の中では「桜井さん=ニートの星」の図式が成り立ちつつあります。愛してる。ニート桜井、愛してる。

まぁ、ニート云々は冗談としても(=冗談としなくても)、この3曲は本当に好きです。ミスチルにハマるきっかけが、遂に現れたわけですよ。このチャンスを逃さずに、しばらく聴き込んでみようかなー、と。
この3曲が好きならこの曲も好きなはず!なんてのを誰か教えてくれたらうれしいな。あ、読者なんていないと思うけど。はは。

orz

*1:個人的には、これは社会批判ではないと思う。世界に満ち溢れる嘘(フェイク)を全て理解し、絶望した上で生きてゆく選択をした主人公。でも批判したい、破壊したいのではなくて、世界の真実(それすらフェイク…)を知った上で、受け入れた上で、その先に…絶望ではなく、希望。ひたすらに絶望感を歌いながらも、希望を感じる。主人公は、暗闇の中の希望を必死に見つめ、睨んでいる。なんでだ?わからんけど、俺はそう感じたよ。

*2:ramだとmovie記法が使えず不都合なため、avi(Xvid+mp3)に自前で変換した上で表示しています。問題がありましたらコメント欄かメールにてご連絡ください。datastreamcowboy@gmail.com

*3:そうだ、思い出した。高校2年ぐらいの時に見た「優しい歌」のPV。あの時、歌う桜井さんの表情があまりに「優し」くなくて軽くトラウマになったことがありました。今度改めて見てみよう。

*4:ごめん適当に言った。この3種の違いはよくわかってない。どう違うの?