RADWIMPS - オーダーメイド

今日Amazonから届いたので早速聴いてみる。とは言っても、どこぞに落ちてたPVをエンドレスで見続けてたりしたので、ちょっと感慨はなかったりするけど。
オーダーメイド
これはね、名曲ですよ間違いなく。人が産まれる前の出来事を語った歌なんですけどね。
物語は、主人公のこんな妄想から始まります。

きっと僕は尋ねられたんだろう
生まれる前 どこかの誰かに
「未来と過去 どちらか一つを
見れるようにしてあげるからさ
どっちがいい?」

RADWIMPS/歌詞:オーダーメイド/うたまっぷ歌詞無料検索

"どこかの誰か"にこう尋ねられた彼は、こんな言葉を返すのです。

そして僕は過去を選んだんだろう
強い人より優しい人に
なれるように なれますようにと
『想い出』ってなんだか分かるように

RADWIMPS/歌詞:オーダーメイド/うたまっぷ歌詞無料検索

な、なんだこのいいやつ。妄想だからって自分を美化してやがるな。
まぁ、一事が万事こんな感じで。"誰かさん"はボク君に色んな物を与えてくれると言い、ボク君はそれをひたすら断るわけです。断ると言ってもただぶっきらぼうに「いらねーよ!」なんて言うんじゃなく。断る理由の一つ一つには、まだ見ぬ世界のまだ見ぬ誰かへの愛が満ちあふれているんです。

だけど僕はお願いしたんだよ
「口はひとつだけでいいです」と
僕が一人でケンカしないように
一人とだけキスができるように

RADWIMPS/歌詞:オーダーメイド/うたまっぷ歌詞無料検索

うわーまたこんないいこと言っちゃって…。
そして、彼という人間がどんどん形作られていき、最後に涙の味を選んだところで……ここはPVを見ていただきたいんですが、ある象徴的なカットが挟まれます。

(画像1)11:59から12:00に変わる置き時計

「望み通り全てが
叶えられているでしょう?
だから涙に暮れる
その顔をちゃんと見せてよ
さぁ 誇らしげに見せてよ」

RADWIMPS/歌詞:オーダーメイド/うたまっぷ歌詞無料検索

そしてエンディングへ。最後の言葉は、ボク君のこんな一言。

最後に一つだけいいですか?

どっかでお会いしたことありますか?」

RADWIMPS/歌詞:オーダーメイド/うたまっぷ歌詞無料検索

きっとボク君は、時計が12:00に変わったあの瞬間、この世に産まれたんじゃないかな。
『さぁ 誇らしげに見せてよ』の言葉は、母として初めて我が子にかける、心からの喜びの言葉。
『望み通り全てが 叶えられているでしょう?』のくだりは障害を持って産まれる子をないがしろにした言葉に聞こえるかも知れないけれど、俺はそうではないと思う。
母親は初め、我が子に特別であって欲しいと願った。他の人にはないものをどんどん与え、幸せになって欲しいと願った。でも、我が子はそれを断り、普通であることを願った…いや、もしかしたらボク君は例の調子で、普通の人に備わっている物までも「いらない」と言ったかも知れない。そんな我が子の選択に最初は不機嫌になりながらも、最後には彼女はしっかりわかっていたんだよね。どんな形であれ、産まれてくる我が子は、自分の最愛の存在であることを。
例え何かが足りなくとも、それは我が子が故あって望んできた物なのではないか。そして、我が子がどんなことを望んだとしても、母となる自分はそれを受け入れ、無条件に愛してゆくのだ。例え足りない何かが"障害"だと言われようとも、我が子に誇りを持って生きてゆくのだ、と。だから我が子にも、誇り高く生きよと言ったのだ。いついかなる時も私はあなたを愛しているのだから、私はあなたを誇りに思っているのだから、だからあなたも誇りを持って生きなさい。安心して、誇り高く生きなさい、と。
んんー、考えすぎかな?
この曲を聴いていると、世界観の不思議なスケールの大きさにも驚くんだけど、それ以上に、この曲の奥に大きな愛を感じるんだよね。母親の持つ、大きな、無条件の愛情が表現されてるように思えて。「涙」のくだりになると、なぜか泣きそうになってしまいます。なんでそこなのかはわからないんだけど。何度聴いても。ちょっと口ずさもうとしてみたりなんかするともう、やばい。
PVもかなり素晴らしい仕上がりになっているので、ぜひ一緒に見ていただけるといいなぁと思います。というか、CD屋さんで試聴するよりも、まずはネットでPVを探してみた方が絶対にいいと思います。PVから入ると落ちますよ、確実に。*1
さて、ここまで読んでいただいて「ちょっと買ってみようかな?」と思っていただけた方がいらっしゃいましたら、一つだけ注意がございます。
カップリングの「グーの音」の出来が、この曲からは想像も出来ないレベルの駄作中の駄作でした。もちろん賛否両論はあると思いますが、少なくとも私からはお奨めできる曲ではありません*2。なので、「オーダーメイド」一曲に980円払っても良いと思える方にのみ、ご購入をお勧めします。
この曲もきっと、永く聴き続ける一曲になりそうだ。幸せだなぁ。

*1:本当はPV紹介をしたかったんですが、時期的にアレでアレなのでお流れになりました。

*2:なお、私はRADWIMPSファンではありません。ですから、RADWIMPSの作った曲の中でこの「オーダーメイド」や「グーの音」がどういうポジションなのかもわかりません。噛み砕いて言えば、「オーダーメイド」はRADWIMPSらしくない!とか、「グーの音」こそRADWIMPSだ!とか。そういうのは一切分かりません。なので、このエントリーにおいて、RADWIMPSの曲としてどうなのか?という、いわば相対評価は一切していません。この記事で書いたことは絶対評価RADWIMPSというグループの歴史などは一切考慮しない、1曲スタンドアロンの感想になっています。この辺りハッキリ説明しておかないと、無用な争いが起きることもありそうなので。