オンラインPDFビューワまとめ

ここ数日、ある話題についてエントリを書くために調べ物をしています。すると、資料としてよく出てくるのがPDF。
PDFって開くのが面倒でイヤですよね。エントリの冒頭に「まずはこのPDF資料をご覧下さい」なーんて書こうものなら、PDFどころかエントリ自体、誰も読んではくれないことでしょう。それでもやっぱり、資料としてできれば読んでもらいたいという時もありますよね。
そんな時に役立つ、オンラインPDFビューワを集めてみました。たまにはこういう記事も、ブクマ狙いのえげつない人感が出ていいですね。

Google Docs (Google ドキュメント)

オンラインドキュメントビューワといえば真っ先に思い浮かぶのがこいつ、Google Docs

いつの間にかbetaが外れていました。最近では、Googleの検索結果にPDFが引っかかった場合のオプションに「HTML変換」ではなくGoogle Docsが提示されることもあるみたいですよ。ファイルを公開する側はアカウントが必要ですが、閲覧者に対してログインを要求するかしないかは任意に選択できます。
サンプル: chikensya4.18.pdf - Google Docs

シンプルで見やすい画面。
Web上から取り込む場合は2MBまで、ローカルからアップロードする場合は10MBまでの制限があります。画像をちょっと使えば10Mなんてすぐ超えてしまうので、ジャンルによっては使いづらいでしょうね。Googleのことですからそのうち制限は緩くなるでしょうけども。

DocQ (Beta)

こちらも海外のオンラインドキュメントビューワサービスですが…

Betaなせいか色々と動作が怪しいですね。アクセスコントロール著作権管理がしっかりできるのが売りですーと書いてありますけど、どうなんでしょう。少なくとも流行ってはないみたいです。
Ajaxバリバリで見た目はきれいですけど、なんだか窮屈で閲覧性はよろしくない感じ。サーバが激重だとか、日本語ベースのファイルの一部が読めないことがあるだとか、その辺は仕方のないところでしょうか。サイズ制限については記述が見当たりませんが、15MBほどのPDFを読ませたら応答しなくなったのでそれなりの制限があるものと思われます。
そして致命的なことに、ファイルの公開が上手く動きません。エラーが出ると思いますが、一応サンプルURLを置いておきます。
サンプル: DocQでPDF閲覧のサンプル

正しく表示されるとこんな感じなんですが…
見れないですよね。『The document owner has no saves remaining.』とエラーメッセージが出ますが、何の話かさっぱりわかりません。
見た目こそ大事だ!という人は根気よく使ってみてはどうでしょうか。私はもういいです。

Scribd

日本ではまだまだ知られていませんが、海外ではGoogle Docs並に有名かもしれないのがScribd

日本から出たこともない私に「海外ではGoogle Docs並に有名」だとかそんなことわかるはずもありませんが、ぱっとサイトを見た感じはGoogle DocsというよりYouTubeに近い雰囲気だなーというのはわかります。コミュニティ方面に力を入れてるんですかね。オンラインサービスではこういった「賑わってる感」って重要だと思います。
使ってみると、まずファイルサイズ制限に驚きます。なんと1ファイルにつき100MBまで!しかもアカウントごとのストレージ容量上限に至っては無制限!!ちょっと気でも狂ったかという感じの設定ですね。アップロードに関しては何も問題ないというかむしろオーバースペックです。
公開に関してもかなり幅広い設定が可能。元ファイルのDLを禁止したり、逆にPDFをWordに変換してDLできるようにしてくれたりもします。また、印刷やコピー&ペーストを禁止したり、ライセンスを明記しておくことも可能。リビジョン管理機能なんかも便利そうですね。
サンプル: zzzchikensya4.10

ビューワが使いやすい!
ビューワは見た目の割に軽量で、ちょっとくらい重いファイルでもサクサク見れます。日本語の表示が美しいのも魅力ですね。
至れり尽くせりとはまさにこのこと。もう、これ使えばいいと思います。

Issuu

ここまでに挙げたサービスとはちょっと毛色が異なる不思議ちゃん、Issuuを見てみましょう。

サイトを開くとなぜか、おしゃれな海外雑誌がずらりと並んでいます。

ずらり。
ここに出ている雑誌は全てタダで見放題。どうやら市販している雑誌からアマチュアの趣味雑誌、果てはカタログや個人のポートフォリオまで、オシャレ印刷物が集うオンラインフリーペーパー配布所的な空間のようです。これはすごいですね。今までは海外の雑誌をめくるだけのために図書館に入り浸ったりしてましたが、こりゃもう家でいいんじゃないのという感じ。
ビューワの出来も素晴らしいです。見た目よりも断然軽い。

本だ。本を読んでいるぞ!Title Magazine Issue No.3
しっかり紙をめくっている感があっていいですね。そういうエフェクトがついているから…というだけではない、なにかしっかりとした感触があるように感じます。なんでだろう?
もちろん、読むだけではなくて自分でファイルをアップロードすることもできます。が…このオシャレな空気の中で、いかにも日本人のオッサンが作りました感丸出しの書類PDFをアップロードするのは気が引けます。これは欠点と言うべきなのだろうか。

すごい場違い感。
サイズ上限はScribdと同じく100MB(+ページ数500ページまで)となっています。ストレージ容量もScribd同様無制限。それくらいが標準な時代なのか、単に頭おかしいサイトが2つあるだけなのかはよくわかりません。
アップロード時にはタイトルや概要、タグ、ジャンルなどの記入が必須です。若干お手軽感という点で劣るといいますか、チッめんどくせーな感といいますか、そういうのがないではないんですが。Issuuの空気の中ではついつい「あっすみません、タグつけさせていただきますハイ」といった姿勢で受け入れてしまいます。
変換の精度なども文句の付け所がありません。オシャレピープルはScribdよりこっちを使ってもいいんじゃないでしょうか。

Online viewer for PDF, PostScript and Word

全てテキストだけで構成されたページと、最高にわかりやすいサイト名。このサイトではPDFをGIFへ変換してくれます。変換過程をそのまま見せてくれるのがおもしろいですね。

とにかくシンプルで、シンプルで、シンプルです。シンプルとしか言いようがありません。変換されたファイルはキャッシュされて残りますが、最後の閲覧から3日間が経過するか、あるいは管理人さんの気分次第で適当に消去されるとのこと。早い話が、そのうち消えるってことです。シンプルですね。
私が3日間クリックを忘れると消えてしまいますが、サンプルをどうぞ。
サンプル: Online viewer - http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/pdf/17363_1.pdf

見れました?
本当は8ページあるはずなんですが、6ページまでで変換が終わってしまいました。こういったバグの発生頻度はかなり高めの様子。
サイズ制限はありませんが、ファイル変換速度は控えめに言って「超遅い」というレベル。サイズが大きい場合には、5分以上待たされて変換失敗でも気にしない程度の覚悟が必要です。また、最後の閲覧から3日間でキャッシュが消えてしまうので、一時的な利用しかできません(たぶん)。blogで使うよりは、チャット中の友人にPDFを見せたい時なんかが向いてるのではないでしょうか。

Zoho Viewer

Zohoは、丁寧に日本語化がされている海外製オンラインツール群です。その中でもタイトルの翻訳は特に素晴らしく、『フリーのオンラインビューア:Zoho Viewer(無料)』と、大事なことなので二回言ってくれています。素晴らしい仕事ぶりに感服しきりです。

サイトに入るとすぐに「無料ユーザ登録」やら「サインイン」やらの文字が目に飛び込んできますが、実際にはユーザ登録というシステム自体存在しません。これはかなり大物の予感がしますね。
サイズ制限はWeb/ローカルどちらも10MBまで。サーバが非常に軽いのはいいですね。ただ…ビューワ画面は適当に変換したHTMLをインラインフレームで見せるという古典的すぎる手法。『全体を一度に見たい?あっそ、じゃブラウザ最大化すれば?』というかなりハードコアな仕上がりとなっております。
なお、さらっと変換が適当だと言いましたが、手持ちのPDFで正しく閲覧できた物はほとんどありませんでした。
サンプル: ZohoViewer - 24317_1.pdf

酷い変換。右下の犬だけは全ページ画像のみで構成されていたので大丈夫でした
正直なところ、これはまともに使えるクオリティではありません。
【注意】Zohoにはアカウントというものが存在しないので、アップロード時に有効期限を設定しておかないと削除が非常に面倒です。面倒ならばまだしも、URLすら忘れてしまった場合、あなたに残された手段はZoho早く潰れろZoho早く潰れろと唱え続けることくらいしかありません。このハードコアな仕様についていけない方はくれぐれも恥ずかしいファイルをアップロードしないように。
私は既にファイルが1つ消せなくなりました。

HeartRails Capture

ちょっと用途が違いますが、HeartRails CaptureはPDFも読めるサムネイル作成APIです。こんな感じのサムネイルが作れます。

でかい!!
サムネイルと言いつつ、長辺640pxまで大きくできるみたいです。とは言えさすがに文字を読ませるには向かないので、Google Docsへのリンクに使ったりするとイケイケなんじゃないでしょうか。ウェブAPIなので色々応用が効いて便利だと思います。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kankisen/wind/pdf/1su06_07.pdf
こちらは文字化けしてしまいました。ファイルの方がおかしいんじゃないのかなという予感がしますが、まぁ、こういうこともあるみたいですねということで。

まとめ

なかなか、これだ!というサービスを一つと言われると難しいですね。

  • 小さめのファイルサイズで、とりあえず見て貰えればいい → Google Docs
  • ファイルサイズが大きめ → Scribd
  • オシャレ心が大きめ → Issuu
  • マゾっ気が大きめ → Zoho Viewer

総合点で言えば、Scribdの安定感がトップかな。とりあえず選んでおいて間違いはないでしょう。

載せられなかったサービスたち

惜しい物、紹介すべきでない物、見た目だけで弾いた物など。何かの参考になれば。

Free Online PDF viewer - PdfMeNot.com
Flashに変換してくれるサービスで、どこからでもすぐ利用できるようにbookmarkletも用意してくれてあってすごく便利…に見えたのだが、どうやらサイト自体が壊れていて全く動作しない。
Docstoc – Documents, Templates, Forms, Ebooks, Papers & Presentations
ビューワが重すぎて危険。
ThinkFree Office Live - Docs
韓国…?見た目が怪しいのでやめました。
Bakishin On Stage :: handsOut.jp
日本のサイトなので、と推薦している人がいたので見てみましたが、使う気になる見た目ではないですね。