彩度の話

4時頃にトイレに起きたら、そのまま寝付けなくなってしまいました…。ありますよねありますよね。んでしょうがないのでなにかやろうと思い立ち、写真の掲載方法を変えてみました。ソース自体を大幅に書き換えて*1CSSも真面目に作り直し。表示確認をFirefox2/3、IE7/8β、Opera9/10、Chromeで取って…
…9時?
せっかく写真の見栄えをよくしたので、今日は写真の色についてちょっとお話をしたいと思います。先日「紅葉を撮りに行ったはずが…」というエントリを書きましたが、この時色々な人に頂いたのが『その空の色はおかしくね!?』という感想でした。

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SIGMA DP1 : 1/125s, f/5, 16.6mm, ISO50, Spot, A.P.Auto(-3/10EV)
えぇ。おかしいですよ!
実はこの頃まではDP1の設定で彩度+0.4をかけていたため、元々彩度は高めだったのです。それに加えこの日の現像では色を大幅にいじりました。当然、ビックリカラーに仕上がってますね。
タイトルにもある通り、この日は意気込んで紅葉を撮りに行ったはずが、最初に撮れたのが季節外れの桜の花。天気予報よりも大幅に暖かかったことも相まって、もう季節感がわけわかんなくなっちゃってたんです。小田急のホームで真剣に『暑い!この刺すような陽射し…江ノ島に行ったら水着ギャルが撮れるかなぁ!』などと考えたほどです。うそです。
要するに、季節が狂ってる感じを現像でわざと出してみたんですね。ほんと、夏みたいだったんですよ。んでもさすがにやりすぎだろ!と言われ、まぁ、それもそうかなぁ…と。自分の脳が捉えたイメージをそのまま現像するのがいいんじゃないの!?とか言いつつ、でも、思い切り色をいじった写真ってのも正直好きじゃないんです。Flickrを見てると本当にそういうのが多い気がして。とりあえず彩度が高いとウケるんですよ、安直に。そういうのがイヤだーという中二病的な発想と、それからもう一つ…
以前バイト先の同僚に写真の専門学校に通っている女の子がいたんですが、その子の撮る写真ってのが、なんていうか…すごくナチュラルで。好きだったんですよねー。ぱっと見はそこらの人が撮った普通のスナップ写真みたいなんですけど、でも、不思議な魅力が…。理屈っぽくないっていうか、芸術的じゃない芸術っぽさというか。なかなか言い表せないですねー。写真に興味を持ったきっかけにその子の存在は大きく関わってる気がするのです。もしかしたら、自分の目標に近いのかもしれない。
Japanese artisan works on
Japanese artisan works on
SIGMA DP1 : 1/125s, f/5.6, 16.6mm, ISO50, Spot, S.P.Auto
とまぁそんなわけで、その次の週辺りから自分にいくつかの制限を課すことにしました。そのうちの一つが、彩度補正をしないこと。自分の目が高めの彩度に慣れてしまっている感があったので、それを取り除くためにあえての制限です。彩度補正をしない写真こそが正しい写真なんだ!とかそういうことじゃないですよ。
彩度の高い写真に慣れた目には、これはなかなかハードな制限でした。どれもこれもすごく安っぽい写真に見えてしまうというか。もちろん、それは写真がヘタだからだと思うんですけどね。今まで元がヘタなのをごまかしていた"味付け"がなくなったのですから、味気なく感じて当然です。中でも強敵だったのは空の色。特にこの時期の空って青が薄くて、なーんかつまんなく見えちゃうんですよね…。
Untitled

SIGMA DP1 : 1/125s, f/6.3, 16.6mm, ISO50, Pattern, A.P.Auto
なんだこれは!空か!空なのか!?もっと青くしてぇ!!いじりてぇ!!!などとウズウズしてくるのをなんとか抑えて抑えて、次第に、少しずつ、じわじわ、ゆっくり、だんだんと、ナマの彩度に慣れてきました。するとなんと!淡い色調の写真が撮れるように!………なったかぁ?
と、この辺りで一昨日話題にした高感度撮影へと急速に興味が移っていったのです。
さて。実は昨日、高感度ノイズの話を書き上げてから色んな人のDP1の作例を見てみたのですが、その結果率直に思ったのは、先のエントリで挙げた写真のノイズはどれも優秀すぎるということ。そして、上手い人はそれらと比にならないほどのノイズが思い切り出ていても魅せることのできる写真を撮っているということ。
もちろん夜間撮影ができるというメリットが見えたのは素晴らしい経験になりましたが、でも、俺なんかそれ以前の話じゃねーかよ!!!もっともっと撮って、ノイズがどうとかを超えて、見た人を引き込むことができる写真。それを先に目指します。その上でノイズを減らす技術を知ってればさらにオイシイもんね!
landscape with Super Cub #1
landscape with Super Cub #1
SIGMA DP1 : 1/40s, f/4, 16.6mm, ISO100, Spot, A.P.Auto(-3/10EV)
さてさて、そんなこんなで淡い色調に目が慣れてきたところで、皆さんご存じスーパーカブを撮ってみました。ほんっと好きなんですよ、スーパーカブ!今年はグッドデザイン賞の新設枠「ライフスケープデザイン賞」「ロングライフデザイン賞」を受賞するなんて出来事もありましたね。
カブって生活に溶け込んでる感じとか、ノスタルジックな感じとか…淡い写真、そしてちょっとnoisyな写真にも相性が良さそうです。前からちょこちょこと撮ってはいたんですが、これからは狙い定めて「カブのある風景」シリーズを撮ってみようかな、と思っています。
みんなもほれほれ、ノイズがどうとか悩んでないでとりあえず撮りに行こうぜ!

*1:ソースはFlickrの提示してくれるものをProxomitronで書き換えるという形で半自動化しています。いやぁ、Proxomitronって本当に素晴らしいもんですね〜!©水野晴郎