商店街の魅力は今こそ求められている

とあるプロダクトデザイナーさんのblogに、商店街の魅力についてのお話を見つけました。


各地の風景がフラット化されて、似たようなチェーン店ばかり並ぶようになってしまった最近、こういった「味のある」商店街は若い人を中心に価値が見直されている気がします。

シャッター通りになってしまう商店街も少なくないけれど、こういうふうに生き残って必要とされている商店街はまだまだある。

自分の住む町にも商店街があるのですが、やはりデパートやショッピングモールでは得られない楽しさや良さが確実にあります。

松陰神社の商店街_DESKLABOとおでんのおがわ屋 - komipibuDAYS

ほんとにその通りなんですよ…。

とある商店街のおはなしです。

私の実家の近くに、シャッター通りがあります。

もちろん、昔は賑わっていたと聞きます。今では政令指定都市にまで成長した街の、かつて中心であった商店街。そんな商店街も、今ではシャッターばかりが目立つ寂れた通りになってしまいました。現在でも何割かの店舗が営業してはいますが、昼間でも人通りはほとんどない状態。休日でも平日でも人出は変わらず、まさに商店街の末期の姿です。市による大型再開発の計画地からも外されてしまい、ようやく存亡の危機を認識した商店街の面々は、自力による再生案の検討を始めました。

その内容は…辺り一帯を潰して再開発し、『ライフスタイルセンター』という住居一体型巨大ショッピングモールを作ること。

なんでじゃああああああああああああ!!!!!!!

周囲に少し目を向ければ、変化はすぐに見て取れるのです。商店街が寂れ公的再開発からも外されたため、商店街周辺の地価/賃料は大幅に下落。そのおかげか、周囲には若者が経営するカフェやら古着屋やら雑貨屋さんやらが少しずつ増えています。JRの駅から徒歩10分圏内にも関わらずお金をかけずに自分の店が持てるこの場所は、若者の起業拠点・生活拠点となりつつあるのです。
元々は港町として栄えた街並みに年月の重みが加わり、古き良き下町風情の漂う一帯。最近オープンしたお店の中には、大正初期の蔵を改装したカフェ兼駄菓子屋さんなんてのがあります。すんごく魅力的。原宿の一等地に支店を持つ古着屋さんもあったり、衰退ぎみの地方小都市と侮るなかれ、下北沢あたりのオシャレっ子にも堂々と自慢できるステキな一角なんです。

地方の再開発は、“キレイで”・“洗練された”・“都会的な”姿を目指しすぎます。ああいう類いには、生活臭がしない。元から人がいる大都会でない限り、極端に生活臭のしない場所に人は集まらない・根付かない・育たない。寒々しさばかりが目立ち、温かみなど根付きはしない。
活気のある街とは、人々の生活臭があふれる街。温かみのある街。その最たる象徴が『昔ながらの商店街』なのです。昔はよかったと振り返りはするのに、同じ良さを共有している若者の存在に気付かないのはなぜなんでしょう。必要とされて生き残った商店街があるということは、今はなくても望んでいる、必要としている人々もまだまだいるはずですよね。そして事実、下町風情の漂うその場所を愛して店を持った若者が何人もいるんですから。

商店街の再開発計画では、どうやら蔵カフェのある場所も取り壊す予定のようです。なんてことを!今現在の魅力を生かせば、きちんと宣伝すれば、街の若返りは果たせるはず。若者が集まれば、再生だけでなく、将来に渉る繁栄も望めるでしょう。ライフスタイルセンターだかなんだか怪しい大型再開発を語るオッサンを『先生』などと呼んで崇める前に、すぐ近くの若者を師とすればいいのに。

ま、そもそも商店街再建に動き出すのがあまりに遅いですし、商店街もろとも計画消滅が濃厚だと思いますけど…。むしろ商店街とともに組合重鎮が去ってくれた方が活路があるのかもしれません。もしそうなったら……なんだかおもしろいことになるのかも。

がんばれ地元の若者たち!